第3話 アキレウスの鎧 より
朝7時15分の目覚ましで飛び起き、急いで朝ごはんかきこんで、髪をブラシでとかしながら、
「いってきまーす!」
「ああ、いってらっしゃい。気をつけて」
と、玄関を出て、学校へは向かわずそのままお隣、ケンヂんち!
「お邪魔しまっす!」
「あら、ほずみちゃん、ケンヂならもう出たわよ」
ケンヂのお母さん、静江さん。黒髪を軽くまとめた、おっとり優しい日本女性。
「おはようございます! 静江さん!」
片付けたばかりの台所には、まだほんのりと味噌汁の香り。
「ケンゾウさんはいますか?」
「夫だったら、道場にいたはずだけど……」
静江さんは洗い物の手を
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