昭和58年の宇宙移民

第5章 搭乗者・古澤幹夫(2)

 僕と亜実を乗せたシャトルは、衛星軌道上を回る宇宙移民船、ニニギ2号を目指した。

 シャトルの高度が上がるにつれ、空の色は薄い青から、濃い藍色へと変わる。成層圏に入り、高度20キロメートルでシートベルト着用のサイン、母船から切り離されてロケットエンジンに点火すると、急激なGに驚きの声と、歓声、どこからともなく拍手が起きる。モニターには緩く円弧を描く地球と、移民船ニニギ2号の姿が映し出され、その細長い船体には、数機のシャトルが雀のように群れ集っている。ニニギは円筒状のブロックを23個ずつ連ねた2本の長い棒のような形をして、その2

You are viewing a robot-friendly page.Click hereto reload in standard format.